ナローゲージ
小学生の頃、高校生になった兄から、ナローゲージの鉄道模型車両をひとつ貰った。それはEF65という電気機関車で、台車が3つもあり、車輪総数は12個もある。パンタグラフは折り畳め、鉄道の好きだった僕には宝物になった。
そのうち、それを走らせてみたいと思うようになり、鉄道模型店に行って尋ねてみると、ナローゲージは比較的安くて、また狭い場所でも楽しめるという。どうせならレイアウトを組んで、ジオラマも作りたいと思うようになった。
まずべニア板を一枚買った。900mm×1800mmだ。普段は廊下に立てかけてあるので、ほとんど場所を取らない。レイアウトを組む時だけ、部屋に持ち込む。鉄道模型に欠かせないのは、まず線路。直線や曲線などを、お小遣いの範囲で少しずつ揃えた。
レイアウトが繋がれば、今度は動力となるパワーパックを買う。これが小学生には少し高かったが、いよいよEF65が走るのかと思えば、お菓子でも何でも我慢できた。車輪をわずか9mm幅のナローゲージにセットし、走り出した時の感動は今でも覚えている。